四条堀川にある[土と野菜KARITENPO]では「食べる人」と「農家さん」「料理人」が繋がる場所を目指しています。このコラムでは有機農家さんを紹介します。
第1回
ビオ・ラビッツ株式会社[てんとうむしばたけ]
ただただ自然のバランスを見習い、
毎日土に向き合い、そして野菜を育てる
10月上旬の秋日和。京丹後にある梅本さんの[てんとうむしばたけ]を訪れました。はじめに目についたのは大きな草の山。それは、刈草や落ち葉を高く積み上げて、時間をかけて土に戻していく植物由来の堆肥でした。「刈草や落葉は微生物の餌となり、自然と集まった虫たちが食べ、その虫たちが出した糞が土の栄養となり、そしてゆっくりと、何年もかけながら土になっていきます」と梅本さん。土に触れると、細かな白い菌糸が絡まり合い、ふんわり温かく感じました。「土も人間と同じように活発に動くと、その力で温かくなります。それはまさに命の動きそのものです」。
この土で育てられた野菜をひと口噛じると、なぜかまるで調理されたような深い味わいがしました。「多くの命が生み出した豊富なミネラルのおかげで、私たちが作る野菜は塩味がすると言われることもあります」。命の連鎖が繰り返されて育った野菜からは“循環”を強く感じました。
自然と人との関係を断ち切らず、
むしろ楽しみながら仲良くしていく
畑にいると、小さな頃公園や原っぱで泥んこになった時の土の匂いを思い出しました。そういえばあの頃は、道ばたに咲いている花や葉や虫と遊んでは、身近に命の循環を感じる機会がありました。「山を見てください。何もしていないけど植物も虫もみんな元気です。本来、土も食べ物も私たちもすべてが繋がっていますから」。そうした思いや理念がつまったのが畑に隣接する[Organic Cafe てんとうむしばたけ]。畑で採れた野菜をたっぷり味わうことができ、子どもや家族連れで賑わう人気のレストランです。
畑から帰る車中で「秋雨前線のおかげで夏野菜はあまり収穫できなかったけど、サツマイモが沢山採れたんですよ」とどこか嬉しそうに話す梅本さんの姿が印象的でした。決してコントロールできない自然と、むしろ楽しみながら仲良くしているように思えました。自然も、私たち人間も、共に生きている仲間である、と。
土と野菜 KARITENPO
ツチトヤサイ カリテンポ
☎ 050-3717-0141
京都市下京区四条通堀川西入ル
唐津屋町521 プリンス スマートイン京都四条大宮1F
6:30〜19:00
https://tsuchitoyasai.co.jp/karitenpo/
私たちが日々頂いている野菜の「HONTEN(本店)は、畑」であり、実店舗は「KARITENPO(仮店舗)」という想いからつくられたカフェ[土と野菜KARITENPO]は、ただ料理を食べる場所ではありません。「食べる人」と「農家さん」「料理人」が繋がって、持続可能な暮らしを発信していきます。
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